連合環境Information

「COP16に向けた連合の対応方針」を確認

2010年11月18日

2010年11月29日(月)~12月10日(金)「気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)及び京都議定書第6回締約国会合(COP/MOP6)」がメキシコ・カンクンで開催される。
今回のCOP16は、昨年デンマーク・コペンハーゲンにて開催されたCOP15以降、数度にわたる特別作業部会の結果を踏まえての会合となるが、これまで の交渉経緯等から先行きは不透明といわざるを得ない状況にあり、とりわけ新たな国際的な枠組みのあり方については予断を許さない状況にある。

連合はCOP16開催期間中のカンクンにおける行動、および日本国内における気候変動対策に関する政策実現要請等について、以下の「COP16に向けた連合の対応方針」をもって対応を図ることとする。

 

1.COP15以降の主な交渉経緯について

昨年12月に開催されたCOP15以降、ドイツ・ボン(2010.4、2010.6、2010.8)及び中国・天津(2010.10)において会 合が行われた。メキシコ・カンクンでのCOP16前に行われる最後の公式国連交渉であった中国・天津では、包括的な法的文書作成に向けた議論が行われたも のの、先進国と途上国間における対立構造には変化がみられておらず、こうした状況を持ち越した中でのCOP16会合となる。

具体的には、条約作業部会(AWG-LCA)では、一部の途上国がコペンハーゲン合意を踏まえない主張を行うなど、最終的には交渉テキストの多くの部分が収斂されていない。

また、2013年以降の京都議定書の第二約束期間のあり方について議論する議定書作業部会(AWG-KP)においても、森林吸収源に関する論議を 除き、全体的な議論はほとんど進展していない。とりわけ議定書の改定に関しては、途上国からが先進国の排出削減目標の強化以外の内容を論議することは AWG-KPの権限(マンデート)外であるとの主張が出されるなど実質的な議論は進んでいない。

 

2.COP16に対するITUCの対応について

  1. ITUCは、ITUC気候変動ワーキンググループ会合における議論を経て、昨年取りまとめた「COP15労働組合声明」を踏まえ、引き続き加盟各国ナショナルセンターに対し、その内容反映に向けた取り組みを要請している。
  2. 「COP15労働組合声明」においては、(1)Fair(公平な)、(2)Ambitious(野心的・意欲的な)、 (3)Binding(法的拘束力のある)、(4)Just Transition(公正な移行)の4点を考慮した温暖化推進対策を求めており、加えて、国内政策に基づく温室効果ガス排出削減を実行すべきと呼び掛け ている。

 

3.COP16に向けた連合の対応方針について

  1. 全ての主要排出国が参加する公平かつ実効性ある法的拘束力を備えた国際的枠組の構築
    • 地球温暖化対策は世界共通の課題である。一方で世界全体の温室効果ガス排出量に占める日本の割合は約4%であり、日本のみが意欲的な温室効果 ガス排出削減を実現しても地球全体への効果は少ないのが実態である。また、京都議定書の下で削減義務を負う国が世界全体の排出量に占める割合は30%にも 満たない。
    • 地球全体での排出削減を実現するためには、世界全体の排出量の80%超をカバーする国が削減を約束するコペンハーゲン合意に基づき、アメリカや中国、イン ド等を含めたすべての主要排出国が参加する公平かつ実効性ある法的拘束力を備えた国際的枠組を構築し、その枠組の下で責任ある対策を実施することが不可欠 である。連合は、このことを国際社会ならびに日本政府に強く求める。
    • ドイツ・ボンおよび中国・天津で開催された国連気候変動枠組条約の特別作業部会の交渉状況などを踏まえると、COP16において「京都議定書の第二約束期 間」や「京都議定書の第一約束期間の暫定延長」あるいは「主要途上国と米国が入る枠組みと、その他の先進国が入る枠組みとを分けた合意」(ダブルトラッ ク)による暫定決着となることも危惧される。「ポスト京都議定書」について連合は、京都議定書に基づく約束の延長やダブルトラックによる暫定決着について は受け入れることは出来ないとの立場で臨むこととする。
  2. 世界全体の排出削減と雇用の安定・創出の両立
    • オイルショック以降、多くの努力を積み重ねエネルギー効率を改善してきたわが国が厳しい義務を負う一方、米国や中国等が何ら義務を負わない京都議定書が延 長されれば、わが国の国際競争力の低下に加え、海外への生産シフトが加速し、多くの国内雇用が失われるだけでなく、世界全体の排出増加をもたらす。他方、 わが国の優れた環境技術を海外展開することが出来れば、「雇用の安定・創出」につながるだけでなく、世界全体の排出削減への貢献が可能となる。その意味 で、二国間クレジット制度は、前提条件付とはいえ厳しい削減目標を掲げるわが国が「環境と経済の両立」を実現する上で不可欠な仕組みである。
    • 以上を踏まえCOP16において日本政府は、わが国の優れた低炭素技術や製品の海外展開を通じた世界全体の排出量削減への貢献について、二国間クレジットに基づく国際貢献の枠組みを含め、幅広くかつ柔軟に削減努力として認めるよう働きかけを行うべきである。
    • また、国内においては産業部門での排出量が減少している一方で、大幅に増大している家庭・オフィスなど民生部門での対策について、 HEMS(Home energy management system)、BEMS(Building Energy Management System)や民間における初期投資費用の軽減策などについての施策を推進すべきである。

4.カンクンにおける行動

  1. 日本政府への働きかけと意見交換
    連合は、カンクンにおけるCOP16の各国政府の動向や交渉状況などについて日本政府代表団を構成する環境省および経済産業省、外務省とコンタクトを取り 情報収集と意見交換を行う。また、閣僚級会合に出席する各省の政務三役に対し、ITUCとともに意見交換・要請行動を実施する。
  2. ITUC「WoWパビリオン」への参加
    ITUCは、COP16開催期間中の12月2日(木)と12月7日(火)にCOP16公式サイドイベント「WoW(World of Work)パビリオン」をQuintana-Roo大学で実施することを予定している。この「WoWパビリオン」では、ITUCの他、各国ナショナルセン ターやGUFs(国際産業別労働組合組織)がそれぞれの活動紹介・公開討論等が実施される。
    連合は、この「WoWパビリオン」に参加し、地球温暖化対策に関する連合方針や「連合エコライフ21」等の運動について、各国政府・ナショナルセンター等へ発信することとする。