連合環境Information

「COP17に向けた連合の対応方針と参加体制」を確認

2011年11月17日

2011年11月28日(月)~12月9日(金)「気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)及び京都議定書第7回締約国会合(COP/CMP7)」が南アフリカ・ダーバンで開催される。

今回のCOP17は、昨年メキシコ・カンクンにて開催されたCOP16以降、数度にわたる特別作業部会の結果を踏まえての会合となるが、これまで の交渉経緯等から先行きは不透明といわざるを得ない状況にある。とりわけ2013年以降温室効果ガス削減を規定するポスト京都議定書に関する議論では、京 都議定書を延長して先進国が先行して削減を行うべきとする新興国や途上国と、米・中の参加を前提に先進国での削減を継続するとするEU、米国ならびに中国 を含む新興国及び途上国を含んだ「カンクン合意」の枠組において新たな削減目標を求める日・露・加、の間で主張の対立が続いており、2013年以降の国際 的な枠組みのあり方については予断を許さない状況にある。

連合は、COP17開催期間中のダーバンにおける行動、及び日本国内における気候変動対策に関する政策実現要請等について、以下の「COP17に向けた連合の対応方針」をもって対応をはかることとする。

 

1.COP16以降の主な交渉経緯について

昨年12月に開催されたCOP16以降、タイ・バンコク(2011/4)、ドイツ・ボン(2011/6)、パナマ・パナマシティ(2011/10)において作業部会があり、包括的な法的文書作成に向けた議論が行われた。

条約作業部会(AWG-LCA)では、技術移転や適応(気候変動に伴う災害への備え)等の個別論点分野に関する議論が行われ、資金等の分野におい ては「カンクン合意」にもとづく組織の立ち上げに向けた具体的な議論が行われた。また、緩和及びその透明性の確保に向けた報告書作成のためのガイドライン とその報告に関する内容や仕組みについての議論も行われた。しかし、カンクンで合意された内容に絞って議論を進めるべきとする先進国と、個別の関心事項を すべて等しく扱うべきだとする新興国及び途上国が引き続き対立し、議論は平行線となっている。

また、2013年以降の京都議定書の第二約束期間のあり方について議論する議定書の特別作業部会(AWG-KP)においても京都議定書の改正、土地利用と用途転換及び林業、京都メカニズム、方法論について議論が行われたが、多くの論点について結論が先送りされた。

 

2.COP17に対するITUCの対応について

ITUCは、気候変動ワーキンググループ会合における議論を経て一昨年取りまとめた「COP15労働組合声明」を踏まえ、引き続き加盟各国ナショナルセンターに対し、その内容反映に向けた取り組みを要請している。

あわせて、「COP15労働組合声明」において表明した、[1]公平な(Fair)、[2]野心的・意欲的な (Ambitious)、[3]法的拘束力のある(Binding)、[4]公正な移行(Just Transition)の4点を考慮した温暖化推進対策を求めるとともに、各国における国内政策にもとづく温室効果ガス排出削減を実行すべきことを呼び掛 けている。

 

3.COP17に向けた連合の対応方針について

 

(1)全ての主要排出国が参加する公平かつ実効性ある法的拘束力を備えた国際的枠組の構築

地球温暖化対策は世界共通の課題である。その中において、現在世界全体の温室効果ガス排出量に占める日本の割合は約4%であり、日本のみが意欲的 な温室効果ガス排出削減を実現しても地球全体への効果は少ないのが実態である。また、世界の総排出量の約60%をカバーして発行した京都議定書の下で削減 義務を負う国の温室効果ガスの排出割合は、米国の離脱や中国からの温室効果ガス排出の急増により、世界全体で排出削減の義務を負っている国の総排出量は全 世界の30%に満たない状況となっている(参考資料1)。

よって、地球全体での排出削減を実現するためには、世界全体の排出量の80%超をカバーする国が削減を約束することを決定したCOP16での「カ ンクン合意」にもとづき、アメリカや中国、インド等を含めたすべての主要排出国が参加する公平かつ実効性ある法的拘束力を備えた国際的枠組を構築し、その 枠組の下で責任ある対策を実施することが不可欠であり、このことを国際社会ならびに日本政府に強く求める。

また、COP16以降、3回にわたって行われた国連気候変動枠組条約の特別作業部会の交渉状況などを踏まえると、COP17において「京都議定書 の第二約束期間の設定」や「京都議定書の暫定延長」あるいは「新興国及び主要な途上国と米国が入る枠組みと、その他の先進国が入る枠組みとを分けた合意」 (ダブルトラック)などにより暫定決着となることが危惧される。

「ポスト京都議定書」について、京都議定書にもとづく約束の延長やダブルトラックによる暫定決着については受け入れることは出来ないとの立場で臨むことを日本政府に求める。

 

(2)世界全体及び国内における排出削減と、途上国の経済発展への貢献

わが国は、京都議定書における、国境を越えた削減努力を促す仕組みとして、途上国へ技術を提供し温室効果ガスの削減が実現した場合に、その削減分を購入 できる「クリーン開発メカニズム(CDM)」や、目標達成困難な国が余裕ある先進国から余剰排出枠を購入できる「グリーン投資スキーム(GIS)」などの 「京都メカニズム」により温室効果ガスの排出削減に努めている。

今後は、「カンクン合意」にもとづき途上国を含む地球全体での温室効果ガスの排出削減をはかりつつ、雇用の創出や途上国の経済発展にも寄与するため、二国間協議による技術の提供などを積極的に行うべきである(参考資料2)。

一方、国内における温室効果ガスの排出状況を部門別(2009年実績)に見ると、京都議定書の基準年である1990年から日本国内においては産業 部門での温室効果ガス排出量は20%の削減がはかられているものの、家庭部門では27%増、オフィスや店舗などの業務その他部門では31%増と民生部門に おいては排出量が大幅に増加(参考資料3)している(東日本大震災の影響による火力発電所の稼働増、生産活動の低下による排出量の状況を引き続き検証)。

また、今夏の電力の需給不足により取り組んだ節電対策においては、東京電力管内における平日のピーク電力需要の平均が18.4%減となった。節電 に関する取り組みによって大きな成果が得られることが示され、民生部門におけるエネルギー消費削減の必要性が改めて認識されることとなった。

今後は、家庭用エネルギーマネージメントシステム(HEMS)、ビル・エネルギーマネージメントシステム(BEMS)や民間における初期投資費用 の軽減や、需要者に対するインセンティブの付与などを通じて、民生部門における温室効果ガスの排出削減を促す施策をさらに推進していく必要がある。加え て、民生部門での省エネ対策を確立された後は、国内にとどめず世界へ展開し、世界全体での温室効果ガス排出削減に貢献していかなければならない。

 

4.COP17(ダーバン)における行動

 

(1)日本政府への働きかけと意見交換

連合は、ダーバンにおけるCOP17において各国政府の動向や交渉状況などについて環境省及び経済産業省、外務省とコンタクトを取り、情報収集と 意見交換を行う。また、閣僚級会合に出席する各省の政務三役や経済界代表やNPOに対し、ITUCとともに意見交換・要請行動を実施する。

 

(2)ITUC「WoWパビリオン」への参加

ITUCは、COP17開催期間中の11月30日(水)から12月8日(木)にCOP17公式サイドイベント「WoW(World of Work)パビリオン」をダーバン工科大学で実施することを予定している。この「WoWパビリオン」では、ITUCの他、各国ナショナルセンターや GUFs(国際産業別労働組合組織)がそれぞれの活動紹介・公開討論等が実施される。

連合は、この「WoWパビリオン」に参加し、地球温暖化対策に関する連合方針や東日本大震災への対応、電力需給対策等の運動について、各国政府・ナショナルセンター等へ発信することとする。

 

5.COP17の参加体制について

環境・社会政策小委員会を中心に参加を希望する構成組織の意向も考慮し、下記の体制でCOP17へ参加する。

 

参加者名 (※は政府代表団として参加する)

兼子昌一郎 (基幹労連:副委員長)

小西 啓介 (基幹労連:中央執行委員)

弥久末 顕 (基幹労連:事務局次長)

古海 盛昭 (自動車総連:愛知地方協議会議長)

菅家  功 (連合本部:副事務局長)※

滝口 明彦 (連合本部:社会政策局長)※

曽根崎義治 (連合本部:社会政策局次長)※

林  俊孝 (連合本部:社会政策局部長)※

武田  誠 (通訳)

 

以 上