連合環境Information

「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」の主要成果と連合の評価について

2012年8月23日

 連合は、8月23日(木)の第11回中央執行委員会にて、「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」の主要成果と連合の評価について確認した。内容は以下の通り。

 

1.開催日程  本 会 議:2012年6月20日(水)~6月22日(金)

 

2.開催場所  ブラジル・リオデジャネイロ 「リオセントロ」他

 

3.参 加 者  ① 2012年6月12日(火)~6月17日(日)

          連合本部:曽根崎社会政策局次長、水口生活福祉局部長

       ② 2012年6月17日(日)~6月22日(金)

          連合本部:菅家副事務局長、福井社会政策局部長

          構成組織:石川 徹(UIゼンセン同盟)、西田 一美(自治労)、

               並木 泰宗(自動車総連)、伊東雅代(電機連合)、

               弥久末 顕(基幹労連)、増田 喜三郎(JP労組)

 

4.リオ+20の概要

 2012年6月20~22日にブラジルのリオデジャネイロにおいて、「国連持続可能な開発会議(以下、リオ+20)」が開催された。

 このリオ+20は、気候変動枠組条約や生物多様性条約の締結など、持続可能な開発における転換点となった「国連環境開発会議(地球サミット)」から20年を迎えることを機に、この間の成果と進行状況を振り返り、今後の持続可能な開発に関する新たな政治的コミットメントを確保することを目的に開催された。

 リオ+20には、国連加盟188か国および3オブザーバーから97名の首脳および多数の閣僚級(政府代表としての閣僚は78名)が参加したほか、各国政府関係者、国会議員、地方自治体、国際機関、企業および市民社会から約3万人が参加し、首脳および閣僚級による本会議の他、持続可能な開発に関する多様なサイドイベント、パビリオン展開などが並行して行われた。

 

5.連合代表団の取り組み

 連合は、第8回中央執行委員会(5月)にて、「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」への対応について確認し、連合代表団を編成してリオ+20に参加した。

 

(1) 日本政府代表への要請活動

  ・菅家連合副事務局長は、6月19日に開催された政府顧問会合に出席し、交渉状況に関する

   情報収集を行った。

  ・また、第8回中央執行委員会で確認した「リオ+20で合意を求める内容」の成果文書への

   反映や、ITUCとしての各国政府への要請依頼事項に関する働きかけを行った。

(2) ITUC関連会合への参加

  ・6月12、13日のITUC全体会合および項目別作業部会(気候変動とエネルギー)に出席

   し、これらの討議内容を踏まえた「ITUC決議」の採択に参画した。

  ・期間中毎日開催されるITUCのミーティングに出席し、交渉状況に関する情報収集や、

   統一行動に関する確認を行った。

  ・6月20日に、リオデジャネイロ市内で行われたデモ行進「グローバルマーチ」に、ITUC

   メンバーとして参加し、リオ+20に対する主張を行った。

(3) 各種サイドイベント等への参加・視察

  ・6月14日に日本パビリオンにて開催された、リオ+20国内準備委員会主催のセミナー「マル

   チステークホルダー・ダイアログ-東日本大震災と津波から得た教訓-」に、曽根崎連合社

   会政策局次長が労働者・労働組合グループを代表するパネラーとして参加し、グリーンジョ

   ブの創出、公正な移行の必要性などに関する主張を行った。

  ・各国政府や国際機関などが展開するサイドイベントへの出席や、パビリオンを視察し、各

   国、各組織の持続可能な開発に関する主張内容を確認した。

  ・サブ会場で行われた、NPO団体をはじめとする市民社会主催のイベント「ピープルズ・サ

   ミット」を視察した。

 

6.日本政府の対応

 玄葉外務大臣および長浜内閣官房副長官を始め、関係省庁および政府顧問(市民社会の代表)からなる政府代表団130名が参加した。なお、菅家連合副事務局長は、労働者・労働組合グループからの政府顧問として政府代表団に参加した。

 玄葉外務大臣は、本会議における政府代表として演説の中で、未曾有の大震災を経験したわが国にとって「持続可能な社会とは何か」という問題に世界とともに答えを見いだしたいということ、すべてのステークホルダーが共通の利益のために力を合わせる必要があることなどを訴えた。

また、「人間の安全保障」の考え方に立ち、①環境未来都市の世界への普及、②世界のグリーン経済への移行、③強靭な社会づくり、を中心とする貢献策「緑の未来」イニシアティブを実行していくこととし、これらの具体策として、今後3年で計60億ドルの財政支援や、開発途上国における技術導入および人材育成に関する協力・支援を行うことなどを表明した。

 加えて、官民による展示やセミナーを行う「ジャパンパビリオン」や、環境未来都市に関する日本政府主催公式サイドイベントなどを運営した。

 

7.会議の主要成果

 昨年末から継続的に検討・交渉が行われていた成果文書「我々の求める未来」に関し、6月13日から最終準備会合が行われた。

 しかし、特にグリーン経済の取り扱いについて、推進を主張する先進国と、警戒感を示す開発途上国の考え方の隔たりが埋まらず、最終的に議長国であるブラジル政府の主導のもと、6月19日までに合意できる部分を成果文書に明記する形で実質合意された。その後、本会議の最終日となる6月22日に正式に採択された。

 成果文書に明記された主な合意内容は以下の通り。

 

  ・グリーン経済は持続可能な開発を達成する上で重要なツールであり、それを追求する国によ

   る共通の取り組みとして認識する

  ・持続可能な開発に関するハイレベル・フォーラムの創設、第67回国連総会(2012年9月

   ~)におけるUNEP(国連環境計画)の強化・格上げの決議予定

  ・26の分野別取り組みについての合意

  ・持続可能な開発目標(SDGs)に関する政府間交渉のプロセスの立ち上げ

  ・持続可能な開発ファイナンシング戦略に関する報告書の作成のための政府間交渉のプロセス

   の立ち上げ

 

8.リオ+20に対する連合の評価

 連合「リオ+20で合意を求める内容」と成果文書の対比、「リオ+20成果文書に関するITUC声明」にもとづき、リオ+20について以下の通り評価する。

 

  ① リオ+20の主要テーマであるグリーン経済については、先進国・開発途上国の考え方の隔

   たりの大きさから、各国が結束し世界全体として、その推進に取り組む合意を得るには至ら

   ず、会議において十分な成果が得られたとは言い難い。

  ② 一方、同じく主要テーマである制度的枠組みについては、連合およびITUCが求めた

   「国連専門機関」の創設は合意されなかったものの、ハイレベル政治フォーラムの設置およ

   びUNEPの強化・格上げに関する政府間交渉のプロセスの立ち上げに関し、具体的な検討

   の道筋が合意され、会議の成果として一定の評価ができる。

  ③ 社会的包摂の基盤強化、ディーセントなグリーンジョブと公正な移行の推進などをはじめ

   とする、連合およびITUCがリオ+20での成果として求めた内容については、成果文書に 

   おいて“認識”、“確認”や“検討の必要性”という記述にとどまり、不十分なものとなった。す

   なわち、成果文書全体において、具体的な手段・行動に関する合意は得られず、実効性の確

   保の観点からは、課題が残ったと言わざるを得ない。

  ④ 持続可能な開発目標(SDGs)について、ポストミレニアム開発目標(MDGs)に統

   合されるべきであり、すべての国に適用されるものとしたうえで、政府間交渉のプロセスの

   立ち上げに関し、具体的な検討の道筋が合意されたことは、会議の成果として一定の評価が

   できる。

  ⑤ リオ+20は“市民社会の参加”を理念に掲げ、メジャーグループおよびその他ステークホル

   ダーの参画に向けた取り組みを推進した。多様な主体の参画という観点からは、大きな前進

   があったものと評価できる一方、会議期間における成果文書作成プロセスへのアクセスの機

   会は乏しく、この点について十分な配慮がはかられる必要があった。

  ⑥ これらのリオ+20の結果を踏まえ、残された課題の解決に向けた、さらなる検討を継続す

   ることが重要であり、それぞれの政策課題において、具体的な手段・行動に関する合意形成

   を、多様な主体による社会対話を通じて、早期にはかる必要がある。

 

以 上